休むことなく行われている呼吸。酸素を取り込む役目をする肺はどのようにして動いているでしょうか。肺は肺胞という小さな風船の集まりでできています。この肺胞が自ら膨らんでいっぱい空気が入っていくのを想像するかもしれませんが、実は肺胞は自分の力で能動的に膨らむことはできません。
こんな模型を作ってみました。ペットボトルの下を切り、底にゴムを貼ります。口の部分に緑の風船がついているのでペットボトルの中は密閉されています。オレンジのゴムを下に引くと、緑の風船が膨らみます。そしてオレンジのゴムが上へ戻ると緑の風船はしぼみます。
オレンジのゴムが下がる事でペットボトル内の容積が広がり、気圧が下がります。圧の低い方に向かって空気が入ってくるために、緑の風船が膨らみます。
このペットボトルは肺を入れている肋骨のカゴを表しています。緑の風船が肺胞、そしてオレンジのゴムが横隔膜です。外側の空気圧と比べて内側の圧が低いことを陰圧と呼びますが、肋骨のカゴの中は常に陰圧となっています。息を吸う時にはこの肋骨のカゴの容積が広がりさらに圧が下がることにより、肺胞が膨らみ、肺に空気が入ってきます。
(メルクマニュアル医学百科 家庭版より)
肋骨のカゴの容積を広げるために、肋骨が前後左右へと広がるように動きます。そして横隔膜という、肺のすぐ下にある筋肉が下がることによりさらにカゴの容積を広げてくれています。肋骨の広がり、横隔膜の動きを感じながら呼吸をしてみましょう。肺の風船の膨らみを感じられますか?