この2つのモデル。

身体の関節の角度や胴体と脚の位置関係などは同じ状態です。しかしわたし達は地球上で生活をしているため、この2つの間には、単にモデルを90度回転したという以上の違いがあります。

1つ目のモデルは背中が床についています。それに対し2つ目はおしりが床についています。背中が床についているモデルの方がサポートしている面積が広いために安定します。寝ている時よりも立っている方が筋肉の働きが大きくなるのは想像できるでしょう。これには床に接地してサポートしている面積の広さが関わっています。

ピラティスのリフォーマーでは仰向けになって行う足・脚のワークも、チェアというイクイップメントでは座って行うことができます。座っている状態ではおしりの部分しか床についていないので身体を安定させるためには自分の身体の中でのワークがより必要となります。

わたし達の日常生活での動きを考えた時に、座っていたり立っていたり歩いたりと、身体が起き上がった(地面に対して垂直になった)状態での動きがほとんどです。チェアを使ったエクササイズに関して、身体のどの部分で支えているのか、そして身体に対して重力がどのような方向にかかっているのかを考えてみると、座位や立位で行うことが多いチェアのエクササイズは、実際の日常生活での動きに直接関係しているものが多くあります。

エクササイズを行う時の腕や脚の位置をどのように選択するか。座ってエクササイズを行うのと寝て行うのでは、どのような違いが生まれるのか。身体運動学のクラスでは、各関節に関わる運動学だけではなく、運動を行う身体に関わる力学的な視点からも運動について学んでいきます。