目に見えない力なんて言うと超能力でもあるのかと思われるかもしれません。しかし、私たちは日ごろから目に見えない力に接してしています。この目に見えない力の1つが重力。地球上に住んでいる私たちには、宇宙空間へ行かない限り常に重力がかかっています。重力があることによって私たちは地球から放り出されることなく地上に居続けることができます。

重力によって物が地球の中心方向へ向かって自然に落ちるように、知らずしらずのうちに身体は重力からの影響を受けています。歳を取ると背が縮むというのは重力によって受ける身体の重さを支えきれずに背骨や椎間板の厚さが減ってしまうとされています。寝たきりになったり、適度な運動をしないと骨密度が減ってしまうのも重力との関わりがあります。

このような重力の影響は、あらゆる運動に関わっています。学生の頃、理科の授業で習ったように、そのような力はある程度推定することができます。どのような力が身体へかかっているのかを頭の中で捉えることができれば、なぜ姿勢が捻れてしまうのか、なぜ痛みが出てしまうのか、などを推測することができるようになります。

身体運動学とは解剖学や物理学などの幅広い理解に基づいてヒトの運動を分析する学問です。この講座ではヒトの身体運動を理解するための力学的な基礎から個々の関節に関わる運動について学んでいきます。

ピラティスなどのエクササイズを学ぶ時、どうやってやるのか(how to)の方にフォーカスが置かれがちで、なぜそのように行うのか(why)まで学べることは多くありません。昨今、ヨガやピラティスで怪我をするというニュースを目にすることが増えてきました。身体に良いものであるはずのエクササイズで身体を痛めることが起こっていることは大変残念です。しっかりとした知識の下、運動の指導を行ってくれるインストラクターが増え、そして安全により効果的に個人個人にあったアプローチができる人が増えることを願っています。

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