昨日はMotor Learning Labの痛みの回でした。
痛みはどのようにして起こるの?痛みは悪者なの?なんて話も含めて考えてみました。

クラスの中で使わせていただいた動画のリンクです。

科学的にも、痛みは組織の損傷に比例しない(組織の損傷の大きさに伴って増加するものではない)ということがわかってきています。

痛み グラフ

痛みは危険からあなたを守ってくれるサイン、と考えると、単なる悪者には思えなくなってきますね。

以前、個別セッションの感想をいただいていたものをご紹介します。

いわゆる「ギックリ腰」

右腰部の痛みを訴えて、万由子さんにセッションしていただきました。

60分のセッション後、魔法をかけられたかと思うほど、「痛み」は消え去りました。

正確に言うと、「“痛み”という私の脳からのout putは修正された」ということなのだと後から学びました。

「痛み」は、その部位・組織のダメージではなく、その部位の受容感覚のセンサーからの感覚情報を脳が処理し、“痛み”として判断(out put)したものであると知りました。

まさに、私の腰の痛みはそれでした。

痛みを感じ始めたのは、自転車と衝突しかけたことがきっかけでした。

咄嗟に危険を感じて硬直させた身体(主に腰部?)の緊張を、「腰が痛い」と脳が思い込んでいたのだと思います。

実際に、どうすると痛いと感じるか?

私の“痛み”という感覚が、どういった姿勢や動きで生じるか?丁寧に万由子さんが一つずつ確認してくれました。

そうすると、ある条件で自分の脳がブレーキ(“痛み”)をかけていることが分かりました。

〇〇では動くのに、△△だと途端に動かなくなったりしていました。

なぜ?と自分自身でも驚いたのですが、「“痛く”なる」というのは事実でした。

そこからが、不思議でした。

誤作動を起こしている私の脳と会話するように、「ここ、こっちに動いてきていいんだよ」「そう、ここも動いてきてね」と万由子さんが、私の身体の動きのベクトルや出力の仕方を誘いつつ、私の腰部に動きを取り戻してくれました。何度か誘われるように動きを続けていると、「△△すると痛い」と思っていた“痛み”は、すっかり消えて、あれ?どうすると痛かったんだっけ?と、冗談のように自由に動く身体を取り戻せました。

「痛み」は、その部位の損傷ではなく、脳が判断したout put。

「ピラティスは、脳神経系へアプローチできる」と身を持って体験できたことはとても貴重な経験になりました。

私の脳と万由子さんが会話するように動きを導いてくれていたあの瞬間は、すごく自分自身も集中していて、何とも言えない感覚でした。整った身体はとても呼吸が心地よく、背骨も動かし続けていたい気持ちになりました。帰りの電車では、ずっと背骨に呼吸を送るように、車内で動かし続けて帰りました。

N., ピラティスインストラクター

※個人の感想です。

痛みはインプットではなくアウトプットである、ということを表現してくれた良い例をいただき、ありがとうございます。

運動療法や認知行動療法が慢性痛に効果があるとの報告も出てきています。ムーブメントエデュケーターの方が関われる部分も多くありそうですね。