背骨を立体的にイメージしてみましょう。背骨と聞いて、皆さんがよくイメージをする積み木のような部分は、身体のどの辺りにあるでしょうか?
腰に手を当てることによって背骨に触れることができますが、それは椎骨の棘突起と呼ばれる部分です。棘突起の前には指1本分ほどの太さの脊髄の通り道があり、それよりも前に積み木の部分である椎体があります。
腰に手を当てて感じられる背中の表面に近い部分は重さを支えるには適しておらず、重さを支えてくれている椎体は棘突起から指2~3本分内側に入ったところにあります。
これはおへその高さで輪切りにした胴体部分のMRI画像です。白く映っているもの(Vとかいてあるもの)が椎骨です。椎体の前側が胴体のほぼ中央に位置しているのが見てとれます。ピラティスのエクササイズ中には”背骨の前側”へ意識を向ける声かけをすることもありますが、この場合背骨と言っても背中側でなく内臓の奥深くをイメージする方が良いかもしれません。
先ほどのMRI画像でPsと書いてあるものは大腰筋です。椎体のすぐ脇にあるのがわかります。仰向けで脚を動かす時にお腹の奥深くを使っている感覚があるのはこの筋肉が働いているのを感じているのかもしれません。そして横隔膜の腰椎部は内臓の奥深くで、この大腰筋と連結しています。
解剖学の教科書を見て知識として頭で理解することも大切ですが、実際の動きの中でその知識を活かしていくためには身体を通じて分かることが大切です。自分の身体に当てはめてみて、感じることによって”役立つ解剖学”となるのではないかと思います。
MRIの画像はこちらより
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