2019年 春学期 スケジュール update

2019年 4月1日からの講座のスケジュール、内容を更新しました。 昨年行った身体運動学に加えて、この春学期は神経生理学も行います。 身体運動学では身体の構造を解剖学的、そして力学的な視点から学びますが、神経生理学ではそれを動かす神経機構について学んでいきます。 クラスの詳細は下のリンクをご参照ください。 身体運動学 [...]

2019年 春学期 スケジュール update2019-01-16T16:12:02+09:00

背骨の”積み木”はどこにある?

背骨を立体的にイメージしてみましょう。背骨と聞いて、皆さんがよくイメージをする積み木のような部分は、身体のどの辺りにあるでしょうか? 腰に手を当てることによって背骨に触れることができますが、それは椎骨の棘突起と呼ばれる部分です。棘突起の前には指1本分ほどの太さの脊髄の通り道があり、それよりも前に積み木の部分である椎体があります。 腰に手を当てて感じられる背中の表面に近い部分は重さを支えるには適しておらず、重さを支えてくれている椎体は棘突起から指2~3本分内側に入ったところにあります。 これはおへその高さで輪切りにした胴体部分のMRI画像です。白く映っているもの(Vとかいてあるもの)が椎骨です。椎体の前側が胴体のほぼ中央に位置しているのが見てとれます。ピラティスのエクササイズ中には”背骨の前側”へ意識を向ける声かけをすることもありますが、この場合背骨と言っても背中側でなく内臓の奥深くをイメージする方が良いかもしれません。 先ほどのMRI画像でPsと書いてあるものは大腰筋です。椎体のすぐ脇にあるのがわかります。仰向けで脚を動かす時にお腹の奥深くを使っている感覚があるのはこの筋肉が働いているのを感じているのかもしれません。そして横隔膜の腰椎部は内臓の奥深くで、この大腰筋と連結しています。 解剖学の教科書を見て知識として頭で理解することも大切ですが、実際の動きの中でその知識を活かしていくためには身体を通じて分かることが大切です。自分の身体に当てはめてみて、感じることによって”役立つ解剖学”となるのではないかと思います。 [...]

背骨の”積み木”はどこにある?2018-08-31T16:14:21+09:00

肩甲骨周囲の触れ方

  肩甲骨周囲の解剖学についてのビデオを作りましたので、ご覧ください。 9月に触診法のクラスを開催します。ご興味のある方はお問い合わせください。

肩甲骨周囲の触れ方2018-08-23T16:04:43+09:00

重力と運動の関係

本のたくさん詰まった重たい段ボール箱を床に置く時。段ボール箱をゆっくりと床に降ろしていくよりも、パッと手を離して床に落としてしまう方が楽です。というのも、わたし達は地球上に住んでおり重力の影響を受けているために、質量のある物には常に地面の方向に向かって落ちる力が働いています。 ゆっくりとコントロールをしながら物を降ろしていくためには、重力によって地面の方向に引かれる力に程よく”負けながら”降りていかなければいけません。腕相撲で負ける時に、抵抗しながら負ける時は抵抗しないで負けるよりも大きな力が必要であるのと似ています。 腹筋で頭を持ち上げたところからゆっくり降ろそうとすると大変ですが、力を抜いてバタンと降りてしまった方が楽です。これは段ボール箱を床にドスンと置いたり、腕相撲で抵抗せずに負けるのと同じです。しかし、この時に筋肉を鍛えるチャンスがあります。特にマットで行うピラティスでは、ゆっくりとした動きでエクササイズを行うことで重力を上手く抵抗として使いトレーニングを行っています。 (画像:『Pilates Anatomy』より) 日常生活の中でもこのような場面はあります。たとえば椅子に座る時、椅子にドスンと座るということは重力に任せて身体を椅子に落下させていることになります。自分の膝や股関節を使ってゆっくりと椅子に腰掛けることで、座る動作をトレーニングにすることもできます。 [...]

重力と運動の関係2018-08-21T22:00:40+09:00

身体運動学 2018 秋学期 スケジュールupdate

目に見えない力なんて言うと超能力でもあるのかと思われるかもしれません。しかし、私たちは日ごろから目に見えない力に接してしています。この目に見えない力の1つが重力。地球上に住んでいる私たちには、宇宙空間へ行かない限り常に重力がかかっています。重力があることによって私たちは地球から放り出されることなく地上に居続けることができます。 重力によって物が地球の中心方向へ向かって自然に落ちるように、知らずしらずのうちに身体は重力からの影響を受けています。歳を取ると背が縮むというのは重力によって受ける身体の重さを支えきれずに背骨や椎間板の厚さが減ってしまうとされています。寝たきりになったり、適度な運動をしないと骨密度が減ってしまうのも重力との関わりがあります。 このような重力の影響は、あらゆる運動に関わっています。学生の頃、理科の授業で習ったように、そのような力はある程度推定することができます。どのような力が身体へかかっているのかを頭の中で捉えることができれば、なぜ姿勢が捻れてしまうのか、なぜ痛みが出てしまうのか、などを推測することができるようになります。 身体運動学とは解剖学や物理学などの幅広い理解に基づいてヒトの運動を分析する学問です。この講座ではヒトの身体運動を理解するための力学的な基礎から個々の関節に関わる運動について学んでいきます。 ピラティスなどのエクササイズを学ぶ時、どうやってやるのか(how to)の方にフォーカスが置かれがちで、なぜそのように行うのか(why)まで学べることは多くありません。昨今、ヨガやピラティスで怪我をするというニュースを目にすることが増えてきました。身体に良いものであるはずのエクササイズで身体を痛めることが起こっていることは大変残念です。しっかりとした知識の下、運動の指導を行ってくれるインストラクターが増え、そして安全により効果的に個人個人にあったアプローチができる人が増えることを願っています。 [...]

身体運動学 2018 秋学期 スケジュールupdate2018-08-18T22:01:40+09:00

身体運動学 2018春学期 最終日

4ヶ月かけて行った身体運動学のクラス、本日最終日でした。解剖学だけでなく力学的な内容もあり、難しかったかもしれません。専門用語ばかりの教科書を読むのも一苦労だったでしょう。そんな中、皆さんよくがんばって勉強してくれました。 自分一人の勉強では得られない知識を得ることができて良かったと言ってもらえて、やってよかったと思います。皆さんそれぞれのクライアントさんのセッションの時にその知識が役立ち、多くの方への助けになることを願っています。 プレゼントやカードまで、ありがとうございました! またこれからも、根気強くコツコツと、そして楽しく勉強していきましょう。   秋学期(9月末〜)同講座を開講します。詳しくはこちらまで。 [...]

身体運動学 2018春学期 最終日2018-08-13T21:35:35+09:00

触れているものが何か、想像できますか?

ピラティスやジャイロトニックなどのエクササイズを指導する時、クライアントさんへのハンズオンをすることが多くあります。あなたが触れているその手の下にはどのような筋肉や骨があるか、イメージできるでしょうか。 わたし達の身体にはランドマークと呼ばれる骨などの隆起があります。これを目印にして、骨や筋肉などの位置を予測することができます。触れることを練習することで、解剖学的なイメージがより立体になってきます。 運動を指導する際には目的とした動きが起こっているかを見る目が大切です。特にヨガやピラティスのインストラクターは医療現場と異なりウェアの上から動きを評価することを求められます。触診技術を身につけ、骨や筋肉を正確に触れることができるようになることで、体表から骨や筋肉の動きを見る助けになります。 触診法のクラスを9月22日、23日に開催します。 ご興味のある方はこちらのリンクをご覧ください。 *すでに基礎的な筋骨格系解剖学の知識があることを参加条件となりますので、ご注意ください。 [...]

触れているものが何か、想像できますか?2018-08-09T23:16:03+09:00

肺の風船を膨らませよう

休むことなく行われている呼吸。酸素を取り込む役目をする肺はどのようにして動いているでしょうか。肺は肺胞という小さな風船の集まりでできています。この肺胞が自ら膨らんでいっぱい空気が入っていくのを想像するかもしれませんが、実は肺胞は自分の力で能動的に膨らむことはできません。 こんな模型を作ってみました。ペットボトルの下を切り、底にゴムを貼ります。口の部分に緑の風船がついているのでペットボトルの中は密閉されています。オレンジのゴムを下に引くと、緑の風船が膨らみます。そしてオレンジのゴムが上へ戻ると緑の風船はしぼみます。 オレンジのゴムが下がる事でペットボトル内の容積が広がり、気圧が下がります。圧の低い方に向かって空気が入ってくるために、緑の風船が膨らみます。 このペットボトルは肺を入れている肋骨のカゴを表しています。緑の風船が肺胞、そしてオレンジのゴムが横隔膜です。外側の空気圧と比べて内側の圧が低いことを陰圧と呼びますが、肋骨のカゴの中は常に陰圧となっています。息を吸う時にはこの肋骨のカゴの容積が広がりさらに圧が下がることにより、肺胞が膨らみ、肺に空気が入ってきます。 (メルクマニュアル医学百科 家庭版より) [...]

肺の風船を膨らませよう2018-06-11T15:07:11+09:00

ヒールを履く影響

脚を長く見せたい、おしゃれをしたい。そんな時にヒールを履くことがあるでしょう。ヒールを履くと”かかとの位置が高くなる”だけではなく、様々な影響が身体には加わります。 この図の左側は裸足で床に立っている状態。足関節のところが床と垂直となっています。真ん中の図は、もし身体が裸足と同じ状態で5cmのヒールを履いたとしたら、の図。5cmのヒールは足関節では20度上がった状態になるので、全身が20度前へと傾きます。しかし、身体はこのように前に傾いたままではいられないのでなんとかして床に対して垂直な状態へと適応しようとしたのが右の図です。膝が曲がって腰が反っているのが見えます。 このように、ヒールを履くと爪先立ちのような状態を保つことになります。足の下にはヒールの支えがあったとしても、股関節や体幹周りの筋力が弱く良い姿勢を保てない場合は、先の例のように骨盤を前へ倒して反り腰でアヒルのような格好になってしまったり、骨盤を後ろへ傾けて猫背になってしまったりしてしまいます。 (図はプロメテウスより) また、足関節の構造的にもヒールは不利な状況にあります。足首を起こした状態(=背屈)では足が左右に動きにくいのに対し、つま先を伸ばした状態(=底屈、ヒールを履いたような状態)では足が左右に動く量が増えます。これは、足首の骨である距骨(きょこつ)が前側と後ろ側で幅が違うために、底屈位では関節の遊びが大きくなるからです。ヒールの靴で歩くということは、常に足関節での遊びが大きい状態で歩くということになり、足関節を支えるための筋力も必要となります。 そして、8cm(3インチ)ほどのヒールを履くと、体重の9割がつま先側にかかるというデータもあるようです。ヒールの位置や足よりも上の姿勢によってこの割合は変化するでしょうが、フラットな靴であればかかと側とつま先側で支えられる体重が、随分と前へとシフトするのはイメージできるでしょう。つま先の付け根の部分にタコができたり、足のアーチが落ちてしまうのも、ヒールを履いている人で多く見かけます。外反母趾もヒールに関連して起こる場合があります。そして常に爪先立ちの状態なので、ふくらはぎの筋肉は伸ばされる機会がなく、短く硬くなってしまいます。 [...]

ヒールを履く影響2018-05-14T23:14:42+09:00
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